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悪戯の代償

「ちょっと、話があるんだけど」
昼休みに何をするでもなくぼうっと自分の席で過ごしていた少年の元に一人の
少女が声をかけてくる。少年はその声の方へ目を向けるとそこには柳眉を逆立
てた活発そうな少女が居た。
「あんた、いつもまゆを苛めてるんだろ?」
怒気を孕んだ声で少年に詰め寄る少女。その背後にはうつむき加減の大人しそ
うな少女が立っている。少年は二人の少女に見覚えがあった。うつむいたまま
立っている少女は同じクラスのまみ。そして、目の前で怒っている少女がまみ
の幼なじみで隣のクラスに居る美紀。しかし、少年には美紀の言う事に覚えが
なかった。
「まみから聞いてるんだよ!消しゴムのかすを丸めて投げたりシャーペンの芯
をぶつけたり、からかったり」
美紀は少年がまみに何をしていたか、つらつらと並べたてる。少年にとっては
その行為が苛めと取られていたのは心外だった。未だに小学生気分を引きずる
少年にとってはそれは単なる悪戯に過ぎなかったからだ。
「まゆがおとなしいと思って好き勝手しやがって!まゆに謝れよ!」
自分が何をしていたか自覚のない様子の少年に美紀はいっそう柳眉を立て詰め
寄る。
突然、少年は自分に怒り詰め寄る美紀に対して持ち前の悪戯心が頭をもたげて
きた。ただ、謝るのも詰まらない。少しぐらいはからかってやろう。どうせ、
相手は女子だし怒っていても大したことはない。
そんな思いから生まれた少年の言葉は次のようなものだった。
「ハイハイ、ゴメンちゃい!」

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