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伝説の女

 向井拓海は夜道をゆっくりと歩いていた。芸能プロダクションからアイドルとして
の素質を見出され、多忙な毎日を送っている。
 170センチと長身に上から95、60、87と言うスリーサイズ。それでいて性
格は絵に書いた様な姉御肌と言うのが受けて今は売りだし真っ最中だった。今日も規
模は小さいがライブハウスを満員にしてのライブをこなしてきたばかり。
 熱気に満ちたライブハウスを出てから拓海は涼しい夜風を心地良く感じながらのん
びりと歩いている。そんな拓海の耳につんざくような爆音が響き渡る。
「またかよ……プロデューサーの言う通り、タクシーで帰りゃよかったな……」
 徐々に近づいてくる爆音に足を止めた拓海は独りごちた。拓海にとってその爆音は
耳慣れたものではあったが今は出来れば関わりたくないものであった。
 やがて爆音の発生源は遂に拓海の目前に現れる。原型を留めないほど改造された十
数台のバイクと数台の高級車が拓海を取り囲んだ。
 何れのバイクにも特攻服を羽織り、口元はマスクを隠し、髪の毛はオールバックか
リーゼントと言う男達がまたがっている。更に男達は拓海をアクセルを捻り、威嚇す
るかのように空ぶかしを繰り返していた。
 その中を高級車の後部座席から一人の男が降りてくる。そして、その男が拓海の眼
前に立ちはだかると手をかざした。それと同時に爆音が鳴り止む。
 その所作にこの男が一団のリーダーであると確信した。

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