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春麗VSバイソン(中編)

「どうしたのかしら?女に背中を向けて逃げるつもり?ヘビー級ボクシング世界チ
ャンピオンがそんな事で良いのかしら?あら、そう言えばチャンピオンにはなれな
かったのよね」
更なる挑発の言葉をバイソンに言い放ち、高笑いする春麗。バイソンは咆哮をあげ
再び春麗へと突進する。再び跳躍しパンチをかわすと予測したバイソンは今度はア
ッパーを放った。だが、春麗は跳躍せずに足払いを繰り出す。その一撃でバランス
を崩したバイソンは無様に転んだ。
「全く、読みが甘いわね。そんなことだからチャンピオンになれ無かったのよ。で、
いつまで寝ているつもりかしら?」
事前の捜査でバイソンがそのファイトスタイルからボクシング界を干されたと知っ
ていながらも挑発の言葉をあびせる春麗。その言葉でバイソンはその名の通り猛牛
と化した。今度はステップワークを使いながら春麗へと攻めかかる。だが、そこに
冷静さはない。それは単純な思考回路が、と言うよりはバイソンの闘争本能が導き
出した消去法により選択された戦術だった。

右へ左へステップを踏みながら次々とパンチを繰り出すバイソン。そして、それを
最小限の動作だけでかわしながら突きや蹴りを打ち込む春麗。その攻撃をバイソン
はウェービングやステッピング、ガードを駆使し防ぐ。そのハイレベルな攻防に沸
き立つギャンブラー。ギャンブラーの興奮が最高潮に達した時、事態は急変した。
バイソンが繰り出したストレートをかわした春麗の上段突きがバイソンの顔面を捕
える。そのカウンターの一撃で再びバイソンがダウンした。
春麗は突然、構えを変えた。それは正しくボクシングにおけるオーソドックスなフ
ァイティングポーズだった。天才的いや神仙の領域に達する格闘センスを持つ春麗
はバイソンとの攻防からボクシングが如何なる物なのかを理解し早速、実践する事
にしたのだ。
「私は手技は苦手なのよ…お得意のボクシングをもう少し教えてくれないかしら?」
春麗の言葉に目をぎらつかせ立ち上がるバイソン。野牛は再び猛攻を開始した。春
麗はその猛攻をウェービング、ダッキング、ステッピングと様々なディフェンステ
クニックを披露しかわし続ける。その合間に
「遅いパンチね。ハエが止まるわ」
「そんなパンチじゃ女一人、倒せないわよ」
等、嘲弄し牽制のジャブを放つ。その様子は闘牛士を彷彿させた。春麗の口から発
せられる嘲りの言葉は闘牛士の持つ赤いマント、そのジャブは闘牛へと突き刺す剣
と言ったところだろうか。

次第に春麗の反撃の手数が増えていく。ボクシングの基本コンビネーションとも言
えるワン・ツー・ストレート。更にそこからフックやアッパーで追い打ちをかける。
その攻撃は3連撃、4連撃と次第に数を増し、遂にガードを上下に揺さぶる高度な
コンビネーションへと発展した。攻守は完全に逆転しバイソンのスタミナは春麗の
華麗なステップからの鮮やかなコンビネーションブロウで受け徐々に奪われていく。

遂にバイソンは亀が甲羅に首を引っ込めるかの如くガードを固め始めた。ステップ
ワークもウェービングも全く役に立たず一方的に打ちのめされたバイソンの本能は
ガードに徹っし春麗のコンビネーションの隙を突く、逆転の一撃へと賭けた。
春麗は暫くバイソンのガードに意も介さずパンチを打ち続けた。だが、バイソンは
必死に耐えた。
ガードを崩さないバイソンに対し春麗は距離を取る。ガードを崩す為に春麗は踏み
込みながら渾身の一撃を放ってくる。そう読んだバイソンはここぞとばかりに渾身
のストレートを放った。その一撃は当たっていればバイソンのボクシング人生、会
心とも言えるパンチになっていただろう。
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