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女教師、聖夜のレッスン

 今日も俺は女教師からレッスンの呼び出しを受けた。
 未だ、俺の拳は先生の身体をかすることも出来ずダウンさせられるだけのレッ
スン…
 しかし、皮肉な事にそのレッスンは俺のディフェンステクニックの向上に繋がっ
ていた。先生のハンドスピードは閃光と形容が相応しいほどに早い。
 それをガードや回避しようという試みは成功した回数を指折りで数えられるほど
だが、先生のパンチに反応しようと試みた努力は無駄ではなかった。
 同世代の選手のパンチなら大概、防ぐことが出来るのである。
「私に負けた悔しさをバネによく成長したわね」
と先生は励ましてくれるが俺の心中は複雑だ。強豪校の選手やプロデビューできる
と噂される選手よりも遥か高い次元に存在する女教師。
 俺は先生をボクシングの神様が女教師の姿で降臨したと納得しようとしてきたが
それも上手くいっているとは言い難い。その反面、先生ほどの強さのボクサーの胸
を借りることが出来るのは幸運と言う程度の言葉では済まされない。
 そして、その女教師から聖夜のお誘い。これがデートならば高校生の俺にとって
は過ぎたものだが、いつもの様に誰もいないジムでの実戦スパーリング。
 ただでさえ先生には複雑な思いが更に深まっていく。
 ここ暫くは先生も俺のディフェンスの向上を認めたのか
「ちょっと本気を出すわよ、危ないからヘッドギアとカップをつけなさい」
と防具の装着を義務付けていた。
 俺はジムに着くと早速、着替え防具も身につけリングに上がる。そこへ現れたの
はどこで仕入れたのか頭を悩ますサンタ衣装に身を包んだ先生だった。
 無論、その手にはグローブがはめられている。
「今日は頑張るキミに特別レッスンよ」
 そう言うと先生はファイティングポーズを取った。その構えに一分の隙も認めら
れず先生から沸き立つオーラが俺の背筋に冷たい刃を突き刺す。
 セクシーサンタが殺気を剥き出しで自分と対峙すると言う奇妙なシチュエーショ
ン…しかし、俺は闘志を奮い立たせこのレッスンへと臨んだ。
 そして、結果は惨敗。
 パンチと叱咤のプレゼントをたっぷりと貰い脳を揺さぶられ、内蔵を抉られ立っ
ているのがやっとという状況。
 だが、俺は先生の「本気」と言うプレゼントに応えたいが一心で拳を振るう。
 正面に立っていたはずの先生は一瞬でその姿を消し、俺の左脇に先生の右拳が
力の限り抉り込まれる。
 その威力に俺は堪らず大量の唾液をまとわりつかせたマウスピースを勢い良く
吐き出した。
 先生が何か言っていたようだがその声は俺の耳には届かず内蔵が口からはみ出
しそうな激痛の中、リングへとうずくまっていった。
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