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春麗VSバイソン(前編)

ラスベガスのあるカジノ。そこは秘密結社シャドルーの息が掛かったマフィアの手
で経営されており、いかさま賭博と格闘技の賭試合で莫大な利益を上げていた。ま
たシャドルー四天王の一人バイソンが活動の拠点としているとの情報を得た春麗は
単身、潜入捜査を試みた。無論、賭試合の出場者として。

潜入開始から数週間。ギャンブラーの間では春麗の話題で持ちきりだった。黄金比
率のプロポーションに格闘家には似つかわしくない美貌。それらとは相反する真の
強者のみが持つ風格。そしてチャイナドレスのスリットから覗く極限まで鍛え抜か
れた脚が繰り出す妙技。しかし、もっとも話題となったのは彼女の持つ圧倒的な戦
闘力だった。
ある者は蹴り一撃で、ある者は襟元を掴まれ体落としの要領で床へと叩き付けられ
させられ昏倒した。打たれ強い者も居たが何も手出しを出来ないまま、春麗の連続
蹴りに沈められた。今では春麗が現れると対戦相手の掛け率は異常な跳ね上がりを
見せる様になった。
だが、春麗の対戦相手にかける者は一攫千金を夢見る極一部の限られた者のみで、
多くの者が彼女に賭け着実に所持金を増やし続けていた。このままではカジノの利
益が伸びず処罰を受ける事となるのは明白とマフィア達は苛立ちをつのらせた。
何度か刺客を春麗へと送りつけたが皆、返り討ちに遭いある者は逃げだし、ある者
は逮捕されていた。そこへマフィア達の手際に業を煮やしたバイソンが自らが春麗
を倒すと言い渡してきた。マフィア達にとっては正に渡りに船。彼らは怒りの矛先
が完全に自分達へ向かわないように細心の注意を払い四天王自らの出馬を願った。

その日も春麗は何人かの格闘家と闘い圧勝していた。ファイトを取り仕切る黒服が
春麗へと挑戦する者は居ないか問いかけてた。そこへボクサーパンツにタンクトッ
プ、そして手にはボクシンググローブと言う出で立ちの黒人の巨漢が現れた。無論、
シャドルー四天王の一人バイソンである。黒服はバイソンの登場に一瞬、色を失っ
たが何事もなかったかの様に春麗とバイソンのファイトが行われる事を宣言した。
掛け率は同率。毎晩、現れては圧倒的な強さを見せつける春麗と気分次第で突然現
れ対戦相手を叩きのめしていくバイソン。その姿を現す頻度から行けば妥当とも思
える掛け率にバイソンは元々、良くない機嫌を更に悪くした。

「おい、ネエちゃん。俺のシマで好き勝手してくれたな。只じゃ済まないぜ」
デビュー当時はチャンピオンに最も近い男と言われたヘビー級ボクサー、バイソン。
しかし、手加減を知らない荒々しいファイトで幾人もの対戦相手を再起不能に追い
込みボクシング界から干されていた。そんなバイソンは新たに得た己の強さを誇示
し、賞金を稼ぐこの場を荒らされた事に怒っていた。そして、この場を荒らしてい
たのは女だったと言う事が火に油を注いだ。バイソンはそんな怒りをぶつけるが如
き恫喝の言葉を春麗に投げはなった。
「あら、ご心配有難う。お礼に貴方の醜い顔をハンサムに整形してあげるわ」
余裕の笑みを浮かべ構えも取らずにバイソンを挑発する春麗。バイソンはその言葉
に異形とも言える怒りの形相で力の限り踏み込みながらストレートを放った。バイ
ソンのフィニッシュブローの一つであるダッシュストレート。春麗は跳躍し繰り出
されたそれをかわすとバイソンの拳の上に降り立った。そしてその拳の上から再び
跳躍をするとバイソンの背後に着地し、蹴り技主体の持つ構えを取った。
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