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女教師、夜のレッスン

「今夜はレッスンをするから、遅れないように」
 俺はその言葉に従いある場所へと向った。そこには一人の女教師が待っている。
  女教師からの夜のレッスンへの誘い。高校生には刺激的過ぎる言葉だがそん
な彼女からのレッスンは色香漂う様な代物ではない。 
 ボクシングのスパーリング……と言うよりは実戦そのものである。そして、彼女の
ファイトスタイルは怒涛のラッシュで圧力をかけ相手を一気に叩くと言う代物。ハー
ドなレッスンにも程がある。
俺と彼女の関係。それは担任と生徒、ボクシング部の顧問と部長と言う関係だ。
 ちなみに彼女の担当教科は数学。複雑な方程式を解いたり、理論的に証明を
行なっていく姿とリングに立ったアグレッシブな姿はどうにも噛み合わない気が
していた。 しかし、彼女はそのファイトスタイルは計算ずくだと言う。
 幾度と無く、レッスンを受ける内に俺はその意味にやっと気づいた。
 ボクサーとしての実力、そして場数を踏んできた数はたしかに彼女のほうが上
だ。それでも女にパンチを打ち込まれれば、一方的に攻められてはと熱くもなっ
てしまう。
 彼女のパンチのほうが速いと判っていながらカウンターを狙い手を出すが、俺
のパンチが出来る前に彼女のパンチをクリーンに貰ってしまい、動きが止まった
ところへ更に彼女のラッシュに襲われジリ貧に追い込まれる。
 俺はこの数回はなんとか、それに乗せられまいと努力はしたが彼女の変幻自
在のコンビネーションはガードの隙をつき俺を捉え、結局熱くなり負けパターン
へと追い込まれていた。
「先生に今日こそメガネを外してもらいます」
 今回こそはと意を決し大見得を切ったが彼女にはその必要はないとあっさりと
一蹴されてしまった。
 ならばと思い今回は俺から次々と手を出し逆に圧力をかけようとしたが、彼女
はディフェンステクニックもかなりのものだった。
 ステッピング、パーリング、ウェービングなどを駆使し俺のパンチはガードさせ
るどころかかすりもしなかった。
  やがて、カウンターを貰いそこから彼女のラッシュが始まり攻守が逆転した。
鳩尾を何度もえぐられ呼吸は乱れに乱れ、右目と左頬は熱を持っている。多分
痣ができてるんだろう。
 鍛えた腹筋は最早、機能せず彼女のボディブローを食らう度に内蔵を直接え
ぐられてると錯覚するほど拳がめり込んでいく。
 首の方も衝撃に耐え切れず彼女のパンチが顔面を捉える度に右に左に振ら
れて常に脳がグラグラと揺れていた。
 膝はがくがくと震えて何時、崩れ落ちてもおかしくない状態。
 腕もガードのために動かせるような状態ではなく、だらし無く構えてるだけ。
 そこへ彼女の強烈な 右フックが炸裂する。視界から彼女が消え、口から
唾液が噴出しマウスピースが飛び出した。
 彼女がなにか言っているようだが俺の視界と意識が真っ暗な闇に沈み込み
全く聞き取れなかった。

夜のレッスン
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