燃え尽きるまで（中編）
男は目の前に立つ戦闘マシンの冷徹さと獣の闘争本能を同居させた理保に対し
攻撃を仕掛ける。
左のリードジャブからの右ストレート、左フックと男は矢継ぎ早に拳を繰り出
す。対する理保はウェービングでワンツーをかわしフックをダッキングで避け
る。
そんな理保に対し男は右のアッパーを繰り出した。しかし、それを理保はダッ
キングした状態から右に身体を捻ってかわす。
男の身体が伸びきったその時を狙い理保はリングを蹴り、たわめた身体の力と
回転を利用し右アッパーを繰り出した。男はそれを後ろへ身体を反らし避けよ
うとする。
しかし、男のディフェンスは理保のアッパーをかわしきれず打点をずらせるの
みにとどまった。
男はその拳に戦慄する。それは流れによってはフィニッシュブローになる一撃
だった。
男は仕切り直そうと後退を試みる。しかし、理保はそれに食らいつき左ジャブ
を起点としたワンツーストレートを放った。それは見事に男の顔面を捉える。
男は次に来るであろう左の拳を警戒した。だが、男を襲った次の衝撃は予想を
裏切りワンテンポ、遅れてから右の頬を抉る。
右のストレートから右フック。それは同じ腕で二度、攻撃を放つダブルコンビ
ネーションだった。
理保がボクサーとして大成した理由。それは運動神経の良さだけではなく相手
の動きを攻撃、防御を問わず見切る能力に長けていた事もあった。
敵の視線、僅かな筋肉の動き、体重移動、フットワーク。様々な要素が絡み合
い無限とも言える選択肢の中から正解を導き出す。今のダブルコンビネーショ
ンもその賜物であった。
攻撃を仕掛ける。
左のリードジャブからの右ストレート、左フックと男は矢継ぎ早に拳を繰り出
す。対する理保はウェービングでワンツーをかわしフックをダッキングで避け
る。
そんな理保に対し男は右のアッパーを繰り出した。しかし、それを理保はダッ
キングした状態から右に身体を捻ってかわす。
男の身体が伸びきったその時を狙い理保はリングを蹴り、たわめた身体の力と
回転を利用し右アッパーを繰り出した。男はそれを後ろへ身体を反らし避けよ
うとする。
しかし、男のディフェンスは理保のアッパーをかわしきれず打点をずらせるの
みにとどまった。
男はその拳に戦慄する。それは流れによってはフィニッシュブローになる一撃
だった。
男は仕切り直そうと後退を試みる。しかし、理保はそれに食らいつき左ジャブ
を起点としたワンツーストレートを放った。それは見事に男の顔面を捉える。
男は次に来るであろう左の拳を警戒した。だが、男を襲った次の衝撃は予想を
裏切りワンテンポ、遅れてから右の頬を抉る。
右のストレートから右フック。それは同じ腕で二度、攻撃を放つダブルコンビ
ネーションだった。
理保がボクサーとして大成した理由。それは運動神経の良さだけではなく相手
の動きを攻撃、防御を問わず見切る能力に長けていた事もあった。
敵の視線、僅かな筋肉の動き、体重移動、フットワーク。様々な要素が絡み合
い無限とも言える選択肢の中から正解を導き出す。今のダブルコンビネーショ
ンもその賜物であった。
理保の攻撃によって男の右へ身体が傾ぐ。そこへ理保の左フックが更に男の顔
面を捕える。しかし、理保の攻撃は止まらない。無理矢理、直立させられた男
の顎へ目掛け右、左とアッパーを繰り出す。
男は理保の攻撃を受けながらも本能的に左のジャブを繰り出す。それは相手の
攻撃の出鼻をくじくストッピングと言われる技術だった。しかし、理保はその
ジャブを左にダッキングしてかわすと最初のアッパーと同じ要領で左のボディ
フックを放つ。
男はそれを肘でブロッキングしようとしたが、それよりも早く理保の拳が男の
脇腹にめり込み肝臓を圧迫する。男はその衝撃にマウスピースを僅かにはみ出
させた。
そこへ理保は両の拳をピストンの様に何度も突き上げる。胃と腎臓を交互に幾
度も責め立てられた男は更にマウスピースを口から出した。
男がマウスピースを半分ほど吐き出したところで理保は渾身の左ボディアッパ
ーを繰り出す。鳩尾を貫かれた男は遂にマウスピースを完全に吐き出し、身体
を折り曲げ顎を下げた。その顎を理保の右アッパーが襲う。
再び男は強引に直立させられた。そこへ理保はワンツーを２セット繰り出す。
それは狙いを過たず男の鼻を４度、捉え完全に潰した。鼻血を吹き出し、男は
背中からリングへと叩付けられる。
男は脳への衝撃により乱れた視界を取り戻すと同時に逆流し喉に絡みついた血
に噎せ返った。男はそれに構わず上半身を起こし理保を見る。そこで二人の視
線が絡み合った
「まだ、闘えるようですね…さぁ、立ってください」
男の目にまだ、闘志が宿っている事を見て取ると理保はそう言った。その言葉
に男は立ち上がりファイティングポーズを取る。
理保は立ち上がった男との間合いを詰めるとワンツーから左右のフックを放っ
た。再び男の身体が右に傾いた。その瞬間、理保の姿が男の視界から消える。
直後、おとこは右頬に衝撃を衝撃を受けた。その正体は理保の右ストレート。
理保は右フックを打ったそばからサイドステップし男の右へ一気に回り込んで
その一撃を放っていた。
男は理保の居る方へと向き直ろうとする。その視界を理保の姿が一瞬、過ぎる。
次の瞬間、男は左の脇腹を理保の左ボディアッパーで突き上げらた。更に肝臓
と胃に左フックの洗礼を受ける。
理保は男が自分の居た方向へと向き直る事を予想し男の左に回り混みながら左
のトリプルコンビネーションを放っていた。更に男は左頬に衝撃を受け舌に鉄
の味が広がる。
理保の捻りの利いた右ストレートが男の左頬を穿つ。男はその攻撃によろめき
ながらも理保へと向き直りファイティングポーズを取り直した。男はロープを
背負う形になる。
そこへ理保が踏み込みながら左アッパーを繰り出す。そのアッパーは男の両腕
の間を高速で通過すると男の顎を捉えた。男が再び後ろへ吹き飛ばされる。
面を捕える。しかし、理保の攻撃は止まらない。無理矢理、直立させられた男
の顎へ目掛け右、左とアッパーを繰り出す。
男は理保の攻撃を受けながらも本能的に左のジャブを繰り出す。それは相手の
攻撃の出鼻をくじくストッピングと言われる技術だった。しかし、理保はその
ジャブを左にダッキングしてかわすと最初のアッパーと同じ要領で左のボディ
フックを放つ。
男はそれを肘でブロッキングしようとしたが、それよりも早く理保の拳が男の
脇腹にめり込み肝臓を圧迫する。男はその衝撃にマウスピースを僅かにはみ出
させた。
そこへ理保は両の拳をピストンの様に何度も突き上げる。胃と腎臓を交互に幾
度も責め立てられた男は更にマウスピースを口から出した。
男がマウスピースを半分ほど吐き出したところで理保は渾身の左ボディアッパ
ーを繰り出す。鳩尾を貫かれた男は遂にマウスピースを完全に吐き出し、身体
を折り曲げ顎を下げた。その顎を理保の右アッパーが襲う。
再び男は強引に直立させられた。そこへ理保はワンツーを２セット繰り出す。
それは狙いを過たず男の鼻を４度、捉え完全に潰した。鼻血を吹き出し、男は
背中からリングへと叩付けられる。
男は脳への衝撃により乱れた視界を取り戻すと同時に逆流し喉に絡みついた血
に噎せ返った。男はそれに構わず上半身を起こし理保を見る。そこで二人の視
線が絡み合った
「まだ、闘えるようですね…さぁ、立ってください」
男の目にまだ、闘志が宿っている事を見て取ると理保はそう言った。その言葉
に男は立ち上がりファイティングポーズを取る。
理保は立ち上がった男との間合いを詰めるとワンツーから左右のフックを放っ
た。再び男の身体が右に傾いた。その瞬間、理保の姿が男の視界から消える。
直後、おとこは右頬に衝撃を衝撃を受けた。その正体は理保の右ストレート。
理保は右フックを打ったそばからサイドステップし男の右へ一気に回り込んで
その一撃を放っていた。
男は理保の居る方へと向き直ろうとする。その視界を理保の姿が一瞬、過ぎる。
次の瞬間、男は左の脇腹を理保の左ボディアッパーで突き上げらた。更に肝臓
と胃に左フックの洗礼を受ける。
理保は男が自分の居た方向へと向き直る事を予想し男の左に回り混みながら左
のトリプルコンビネーションを放っていた。更に男は左頬に衝撃を受け舌に鉄
の味が広がる。
理保の捻りの利いた右ストレートが男の左頬を穿つ。男はその攻撃によろめき
ながらも理保へと向き直りファイティングポーズを取り直した。男はロープを
背負う形になる。
そこへ理保が踏み込みながら左アッパーを繰り出す。そのアッパーは男の両腕
の間を高速で通過すると男の顎を捉えた。男が再び後ろへ吹き飛ばされる。
