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GRAPPLE M@STER 月の女王

 俺は目の前の少女に苦戦していた。いや、完全に追い詰められていると言っ
ても良かった。
 長身ながら引き締まった肢体、それでいて巨乳と言って差支えのない豊満な
バストから括れたウエスト、そこから広がる安産型のヒップライン、日本人離
れした美しい銀髪のウェービーロングヘアに目鼻立ちの整った美貌。美少女と
言うよりは美人と言った方が相応しい容貌だ。
 本業はアイドルで彼女の歌い踊る姿は何度か見てきたが、激しいダンスにも
長丁場のステージに耐えうる体力も兼ね備えているのだろうということが容易
に推し量ることが出来るほど綺麗に腹筋が六つに割れている。
 その割れた腹筋ですら彼女の美貌を引き立たせていた。そして、美しさの奥
には恐るべき格闘センスを秘めている。
 普段は美しいダンスと妖艶な、あるいは純真可憐な歌声で人々を魅了してい
る彼女は今日、圧倒的な格闘センスから繰り出される力強く流麗な技と自身の
美しさで観客たちを魅了していた。試合が始まってから彼女が俺の打撃を躱し、
裁き、カウンターからのコンビネーションを幾度か当て始めた頃、歓声は彼女
の名を連呼する様になっていた。

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春麗vsバルログ 空中演舞

 スペイン、レケナの螺旋塔、四方を金網で囲まれた闘技場で痩身だが筋肉質
で蛇の刺青を入れた仮面の男と青いチャイナドレスの女が対峙していた。
「貴様が春麗か…ようこそ、私の名はバルログ、美しいものにふさわしい、美
しい死を与えてやろう」
 右足を引き、鉤爪を装備した右手を体に添え、左手を横方向へ水平に差し出
し頭を下げるバルログ。その姿は口調と相まって貴族然としていたが、どこか
狂気を感じさせるものだった。
「あらあら、殺すなんて穏やかじゃないわね。もっとも、話し合いで済むとも
思っていなかったけど」
 両手を腰に当て呆れたと言わんばかりの態度を示す春麗と呼ばれた女。切れ
長の瞳、その目尻には紅色のアイシャドウ、薄い唇にも紅が塗られている。頭
髪は二つのシニヨンに纏められ白いカバーで覆っていた。顕になった耳朶には
ピアスが付けられている。
「シャドルー幹部、バルログ。貴方に重要参考人として同行を要請します……
と言っても聞くわけないわよね、さぁ、はじめましょうか」
 余裕の口調でバルログへと手招きをする春麗。その挑発に応えるかのように
バルログは鉤爪の付いた右手を振りかざし一気に間合いを詰めた。

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拳撃女王・春麗

 とある私設の闘技場。カクテルライトに照らされたリング上に男が横たわり
痙攣を繰り返していた。その顔は無残に傷つき、腫れあがり、痣と流れる血に
より潰れた柘榴を想像させる。鍛えぬかれた身体の至る所には拳大の窪みや痣
が刻まれ、与えられた打撃の破壊力を示していた。
 男の呼吸に合わせて胸が隆起すると同時にだらし無く開かれた口から口笛の
ような音が流れ出る。格闘家としては致命的な再起不能の負傷とも言えた。仮
にその身体が完治したとしても男は精神的に立ち直る事は不可能だろう。それ
ほど、対戦相手は恐ろしく強大だった。

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拳闘美姫

 俺の振るった拳は空を切った。打ち出し、伸びゆく拳の勢いは間違いなく相
手を射抜く。そんな確信を持った一撃だった。
 だが、対戦相手は俺の拳が進むのと等分の距離を遠ざかる。そして、俺の拳
が身体が伸びきる。俺はその直後にやってくる衝撃に備えた。続いて俺の視界
がぶれ、左の頬から肉を打つ革の音が鳴り響く。
 ヒールがマットを踏む高い靴音と僅かな衣擦れが俺の耳に届く。俺は今一度、
対戦相手を視界に捉えた。

 腰辺りまで伸びた流れるようなブロンド、その上には赤い宝石を中央部にあ
しらったティアラが鎮座している。
 視線を下ろしていくと澄んだ瞳が俺を捉えていた。更に視線を下ろしていく
と胸元が大胆に広がった純白のドレスがカクテルライトを反射し俺の網膜を刺
激する。
 対戦相手はなんと何処ぞの姫様だった。リングに上がり彼女の姿を目にした
途端、俺はそんな習慣がないのに思わず頭を垂れ、跪いてしまいそうになった。
 姫君はそんな俺を制すると、リングでは君の流儀で挨拶する様にと制してく
る。
 俺はその言葉に応えグローブを差し出した。姫君はその様子に期待通りだと
言わんばかりの笑みを浮かべてからドレスと同じ色で誂えたグローブを合わせ
てくる。

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ドリーム・ファイト・クラブ3

 こんなふざけた格好の女に負けるのか…
 俺は耳鳴りに苛まれ視界はぼやけていた。足元も覚束ず、身体はも重い。腕
も力が入らずグローブがまるで重たいダンベルのような錯覚を覚えていた。
 そんな俺の視界を黒い塊が覆い尽くす。二発、三発とまっすぐ鋭く伸びてく
る女のジャブ。女の大きめのグローブが俺の頭部をしっかりと銜え込み衝撃が
四方八方から俺の脳を揺さぶられ、派手に揺れた。
「ハンデのつもりだったんですけど、逆効果だったみたいですね~」
 女は微笑みながらジャブを続ける。俺は女のジャブを食らい続け、まとまり
のない思考の中、正にその通りだったと感じた。

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無謀な挑戦

 ボクシング部長である村田竜二は部室のリングの上で対戦相手を待っていた。
対戦相手はクラスメイトでありグラビアアイドルでもある双葉理保。
 竜二には近頃の理保の行動が目障りだった。事の発端はつい先日発売された
月刊少年誌のグラビア。理保がボクシンググローブにトレードマークの水色の
ビキニと言う姿でサンドバッグを叩いたり、リングに寝そべる姿が写し出され
ていた。
 理保の巨乳とセクシーな肢体に不似合いなボクシンググローブ。それは年頃
の少年である竜二を十分に惹きつけるものだった。無論、校内でもそのグラビ
アは話題になっている。
 しかし、その後の理保の言動が彼の癇に障った。
「実はこの撮影の後、ボクシングにハマっちゃったんだよね~」
 そう言いながら群がる男子の前でパンチを打つ真似をしてみせる。そして、
理保を囲む男子から上がる黄色い歓声。その様子が、アマチュアボクシングの
大会で何度も優勝を果たし、将来はプロへの転向も考えている竜二にボクシン
グを舐めているとしか感じられなかった。
 そこで竜二は理保に少しばかり灸を据えてやろうと考えた。竜二は理保の周
りから他の男子がいなくなった頃を見計らい、彼女へ「君の動きをもっとよく
見てみたい」と誘いを掛けた。
 その言葉に理保は疑いもなく頷く。理保はスケジュールの空いてる日に部室
へ行くと応えた。拍子抜けするほど自分の計画が上手くいきそうな竜二は内心
でほくそ笑む。しかし、竜二は理保の瞳の奥が不敵に輝くのを見逃していた。

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隆の憂鬱

 深夜の城跡にベルトが千切れた様な音が響き渡る。
「ッ!」
 道着姿の男の口から声にならない断末魔の叫びが漏れた。男の名前は隆、真
の格闘家を目指し日々修行に明け暮れている。
 幾多の闘いを勝ち抜いてきた隆ではあるが彼の前に立ちはだかる壁があった。
中国人女性武術家、春麗。一度はその剛脚から繰り出される多彩な蹴りの前に、
今一度は片手で数えるほどの闘いで身につけたボクシングの前にまるで打ち古
されたサンドバッグの様にされ敗北を喫していた。
 春麗に勝たなければ真の格闘家への道はない。そう決意した隆は驚異的な回
復力で傷も癒え体調も元通りになった所で修行の旅へと出た。そして、日本に
戻ってきた出会ったのが、今、隆へグローブで覆われた手でアキレス腱固めを
決めている、ハイレグレオタードに身を包み、サイハイブーツを履いたこの女
子格闘家だった。

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